本校では、毎年2月下旬に学校外の大ホールを借りて、中学合唱コンクールを開催します。各クラスは数か月にわたって練習を重ね、その成果を発表します。舞台では、表情豊かで個性あふれる演奏が繰り広げられます。美しいハーモニーが響き渡ると、会場は大きな拍手に包まれ、生徒たちは達成感を味わいます。

リーダーとしての役割

合唱コンクールの準備は、クラスでの話し合いから始まります。合唱曲の選定、指揮者や伴奏者、パートリーダーの決定が最初のステップです。クラスによっては立候補者が複数出ることもあり、指揮者や伴奏者のオーディションが行われることもあります。指揮者に立候補するということは、クラスのリーダーを務めることを意味します。学年が上がるにつれ、リーダーに挑戦しようとする生徒が増える傾向にあります。前年の指揮者が経験した苦労を知りながらも、積極的にその役割を引き受けることこそが、本校の生徒らしい姿勢といえるでしょう。

リーダーシップとフォロワーシップの育成


約40名の個性が集まるクラスをまとめるのは、決して容易なことではありません。最初から全員の意識が統一されているわけではなく、意見の対立も避けられません。しかし、本校では教員が介入することはほとんどなく、生徒自身が問題を解決することを大切にしています。
練習が思うように進まないとき、指揮者はクラスメートに対してだけでなく、自分自身に対してももどかしさを感じることがあります。しかし、パートリーダーと相談しながら試行錯誤を重ねる中で、少しずつクラスが団結していきます。合唱はリーダー一人で作り上げるものではありません。フォロワーが力を発揮することで、より良い合唱が生まれるのです。
本校では毎年クラス替えがあるため、合唱コンクールはその年ごとに異なるメンバーで挑みます。１年間、共に笑い合い、ときには意見をぶつけ合いながら築いてきたクラスの団結力が試される貴重な機会となっています。