7月9日、文学散歩が行われました。萩原茂先生がナビゲーターとなり毎年7月に実施されるこの行事は、今年で22年目になります。小雨がぱらつく空模様となりましたが、中学1年生から高校3年生まで32名の生徒が参加し、文学の薫る町、文京区本郷の街歩きを楽しみました。
【主な見学地】
かねやす、菊富士ホテル跡(文士たちの宿)、樋口一葉旧居跡、石川啄木旧居跡、宮沢賢治旧居跡、伊勢屋(樋口一葉が通った質屋)、文京ふるさと歴史館、三四郎池(東京大学)等
<参加した生徒の感想から>
私が文学散歩に参加しようと思ったのは「東大に行ける!」という理由だったのですが、萩原先生の説明を聞きながらの街歩きはとても楽しかったです。祖父母の家が近くにあるので馴染みのある場所ではあるものの、「本郷もかねやすまでは江戸の内」という言葉の由来、樋口一葉がとても貧しかったこと、三四郎池が出会いの池だったことなど知らなかったこともたくさんあり、新しい発見がありました。(高校1年)
文学散歩で見学した史跡にまつわる文学者たちの本はそれぞれ一冊ずつ読んだことがあり、読んだ本の舞台を実際に見られると思うととてもワクワクしました。宮沢賢治が住んでいた場所には旧居跡の看板しかなく、想像力を使って見学しました。常盤会跡と坪内逍遥居住跡の2つは、少し前にNHKで放送された「坂の上の雲」を制作するときに参考にした場所だということを知り、ドラマに出てきた高台の風景と似ているような気がして嬉しくなりました。(中学1年)
私が文学散歩で一番印象に残ったのは、樋口一葉が利用していた質屋の伊勢屋です。伊勢屋にはさまざまな工夫がありました。一つは玄関と茶の間の間に三畳ほどのスペースがあり、その間に大阪障子があることです。客からは人の影しか見えませんが、店側は客が来たことを確認できます。また、壁のほとんどが「ねずみ漆喰」で覆われていて、日光が反射しないようになっていたことです。昔の人の知恵はすごいと思いました。(中学2年)