今年度の第85回吉祥祭は、「旅」という吉祥祭テーマを掲げて、9月30日(土)、10月1日(日)の2日間開催いたします。文化祭実行委員会によるテーマ紹介文を掲載いたします。
【吉祥祭テーマの紹介】
吉祥祭では毎年、文化祭実行委員会が何日もかけて会議を行い、その年のテーマを決定しています。テーマを決める際には具体的かつ考察の広がりのあるものにし、吉祥祭全体で統一感を感じられるように強く意識しました。また、分かりやすく誰にとっても身近でかつ深みがあるよう留意しています。
吉祥生たちはテーマに含まれた真意をくみ取り、テーマを中心に吉祥生一人ひとりがクラスをはじめ、委員会や部、有志、課外など様々な形で吉祥祭に向け準備を進めていきます。また、団体の審査を行う際の基準としても、テーマとの関連性を重視しています。そのため、テーマは吉祥祭の根幹をなすものとなっています。
今年度、文化祭実行委員会は「観光としての旅、移動としての旅、旅の変遷、人生として見立てた旅」をまとめて「旅」と定義し、第85回吉祥祭テーマとして掲げます。具体的には、観光だけでなく、帰省や出張、自分探しの旅など、人に会いに行くことや、自分を顧みるという、娯楽だけでない「旅」も定義として含めます。
私たちは2020年度からの3年間、新型コロナウイルスによって多くの制限が存在する中で日々過ごしてきました。しかし、今年度からは様々な規制が緩和されることとなりました。加えて昨今の社会ではインターネットやSNS 等の発達に伴ってほとんどの事柄をネット上で知ることができるようになったにも関わらず、旅行や移動の需要は回復傾向になっているという現状があります。このような状況にある今だからこそ、自分の足でその地に赴き、自分の目で見て、耳で聞き、五感でその土地、地域を感じることのできるという「旅」や、新型コロナウイルスの影響を受けた「旅」について考えるべきではないでしょうか。
「旅」について研究や発信をすることは、今まで知らなかった習慣、文化、価値観に触れる機会となり、たくさんのものと出会い、新たな学びを得ることにつながります。また「旅」には、密接に人生と関係しているという側面があります。多くのことが急激に変化し続ける、このコロナからの回復の年に、吉祥生全員で「旅」について社会に発信することが、自らの可能性に気づき、未来を切り拓くきっかけになってほしいという願いを込めて「旅」をテーマに決めました。