7/14 教養講座(1日目)を実施しました

 

 

 

7月14日(水)に夏の教養講座(1日目)を実施しました。この教養講座は、「学問を知る」「社会を知る」「職業を知る」のテーマのもと、あらゆるジャンルの専門家、研究者、企業人の方々などをお招きして実施する希望者対象の講座です。学期末の定期考査終了後の自宅学習期間中に2日間にわたって実施しています。

今年も高大連携協定を結んでいる大学の先生方をはじめ、様々な講師の先生をお招きすることができました。生徒たちは学年問わずどの講座も受講可能で、今年ものべ500人以上の生徒が自分の興味ある講座に参加しています。1日目に実施した講座について紹介します。


ジェンダーの視点からグローバルな世界を眺める
講師:国際基督教大学 教養学部 アーツサイエンス学科 上級准教授 高松香奈先生 

アジアにおける戦争や紛争をジェンダーの視点から捉え、開発や政治とどのように結びついているか、またジェンダーは社会の構造と深く関わっており、ステレオタイプの見方をせず、多角的な見方をすることの必要性についてお話しくださいました。

スリランカ現地における家父長制に関する調査に生徒たちは関心を持ち、講演後には高松先生の研究内容について活発な質疑応答がなされました。生徒たちはジェンダーの問題は開発途上国のみならず、日本における問題でもあると実感したようです。


個として生きる。個として生きられる社会を目指して
講師:八重洲グローカル法律事務所 弁護士 武井由起子先生

弁護士を志すことになったきっかけや「憲法カフェ」や「子ども食堂」の活動について、また、ジェンダーギャップゆえに就労しても貧困から抜け出せず、女性や子供たちにひずみが来ている日本の現状をお話しくださいました。

「個として生きる」とは「自分の頭で考える」ことであり、無関心でいられても無関係ではいられない社会の現状を「自分ごととしてとらえていく」ことの大切さについて熱く語ってくだいました。一人ひとり違いを認め合い、遠慮せずに助けを求めることができる社会を目指していくために何ができるのかを生徒たちは懸命に考えていました。


Let’s Start Small Farming! 〜持続的生産を実現するための発想の転換〜
講師:東京農工大学大学院 農学研究院 農業環境工学部門 准教授 帖佐直先生

大型機械の導入と経営規模拡大によって農業の生産性は向上してきましたが、これから50年後の未来も我々は豊かな食生活を享受できることは可能なのか、農業環境工学の視点からお話くださいました。

その中でも特に、先生のご専門である小型農業ロボットの開発と今後の展望についてのお話から、農業や農学といってもその幅は広いということを生徒たちは実感したようです。ある生徒は「日本の農業の未来は暗いと思っていたが、先生のお話を聞いてそうではないと感じることができた」と質疑応答で発言していました。


医師という職業が与えてくれる未来
講師:順天堂大学大学院 医学研究科 再生医学/医学部 形成外科学講座 順天堂医院 足の疾患センター センター長 医学博士 田中里佳先生

アメリカで生まれ育ち、19歳の時に日本での医学部入学を機に単身で来日したご自身の経験や、世界の医療の発展に寄与するべく日々、臨床・研究・教育に取り組まれていることなど、先生ご自身が生き生きと話されている様子に生徒たちは釘付けになっていました。

「医師を目指すということ」のゴールは、決して医学部合格でも、国家試験合格でもなく、その先自分がどのような医師になりたいのかというビジョンを持って欲しいという熱いメッセージが、生徒たちの心に届いたようです。講座終了後も質問をする生徒が行列をつくり、先生も一人ひとりに熱心に答えてくださいました。

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