今年度の吉祥祭は、新型コロナウイルスの影響で11月7日(土)、8日(日)に延期し、校外の皆様向けにはWEB上での開催とさせていただくことが決定しております。
吉祥祭実行委員会の生徒たちは、話し合いを重ねながら準備を進め、6月24日(水)6時間目、全校生徒に向けて今年度の吉祥祭テーマの発表を行いました。今年度の吉祥祭テーマは「NIPPON」です。
吉祥祭テーマは、吉祥祭の文化的統一感の軸となるもので、各参加団体はこのテーマに沿って発表内容を企画します。今年はチャットでの話し合いとなりましたが、実行委員会の生徒たちはたくさんの時間をかけてこのテーマを決定しました。
吉祥祭実行委員長(高2)による今年度のテーマ説明をご紹介いたします。
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今年度吉祥祭実行委員会では第82回吉祥祭テーマとして「NIPPON」を掲げます。
ローマ字で書いたときの、日本の公式なアルファベット表記とされている「NIPPON」を用いることで「世界と繋がる日本」や「日本と世界の関係性」を表現しました。国際化が進み、ヒト・モノ・サービスが流通する社会において海外との繋がりは日本にとって必要不可欠です。一方、自国に対する知識を私たち中高生は多くは持っていません。日本に関する事例と共に日本と世界との関係性をこの機会に再度見つめ直し追及することも重要です。
日本には、政治、文化、スポーツなど多方面で、国際社会からより高い関心が寄せられています。最近ではコロナショックにより経済の動きや人の行動など各国間をつなぐ、自由で流動的なシステムが影響を受けました。新型コロナウイルスは今や地球全体の問題になっており、その中で日本の対応は国内外からの注目の対象となり賛否両論様々な意見が飛び交っています。新型コロナウイルスの影響により経済面、社会面などあらゆる方面に多大な打撃を受けた私たちは生活様式や働き方、精神面でも様々な変化を受け入れざるを得なくなってきました。
しかし、ここからが日本に住む私たちの力の見せ所です。激動の時代に置かれているからこそ、自分たちの社会に目を向けたり、今を作り上げてきた文化を振り返ってみたりする必要があると考えました。そこで、私たち吉祥祭実行委員会は第82回吉祥祭テーマとして「NIPPON」を掲げ「NIPPON」関連する研究対象として大きく3つの方向性を示しました。
1つ目は日本で生まれた文化についてです。長い歴史を持つ島国として、独自の文化を生み出してきました。時代と共に様々な影響を受け柔軟に変容を遂げることで人々に愛され、守り抜かれた文化が今日まで続いています。また、海外でも日本に関するイベントが開催されています。このように日本に深く根付いている文化が海外でも受け入れられている事象について具体的に研究対象とすることを提案します。
2つ目は日本の環境についてです。例えば、自然環境の観点として、地球温暖化問題は国際協力が必要なものとして他国との共通認識や協力が必要です。日本はレジ袋の有料化など国民の暮らしにも関わるような対策を講じて自然環境をより良くしていこうとしています。生活の観点としては、女性を取り巻く環境についてなど、多くの課題があります。政府が主体となって解決しようとしていますが、私たち一人ひとりが自分の問題として向き合ってみてはどうでしょうか。舵を切るのは未来を担う私たちです。日本を取り巻く環境を内外から見つめ直し、将来のために何ができるか、について具体的に研究対象とすることを提案します。
3つ目は技術と経済についてです。技術革新やそれによって生まれた製品が世界で認められて流通し、投資の対象となって研究開発費を得ることにより更に技術革新が進むという形で、技術と経済は相互に関係しています。技術を経済的視点から、新たな医療技術や宇宙開発など世界が必要とする未来を切り開く日本の技術という観点も考察もして欲しいと思います。この観点では、外国との技術提携をすることも必要となり、外国の情勢などの影響を受けるので、国際的な視野も必要になってくると思います。一方で日本の伝統的な技術についても忘れてはなりません。このように世界から認められる多様で素晴らしい日本の技術について経済をはじめとした多くの切り口から具体的な研究対象とすることを提案します。
今年度吉祥祭実行委員会では、これからの日本を担っていく生徒一人ひとりに、日本文化を形成する一員という自覚を持ち、「NIPPON」についてより深く様々な視点から考察してもらえるよう環境を整えます。吉祥祭が学校全体としての統一感を持ち、今を生きる生徒自身の問題意識に響くような、未来へ繋がる研究・発表の場となるよう願っています。
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上の画像は実行委員会のPRセクションが製作した「テーマロゴ」になります。PRセクションが発表した「テーマロゴ」の説明もご紹介いたします。
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今年度のロゴは、地球儀に見立てた鞠と虫眼鏡で、テーマである「NIPPON」を表現しました。
地球儀に見立てた鞠は日本と世界の国際的な関係を表しています。国際化が進んだ社会において日本と海外のつながりは必要不可欠です。鞠の真ん中に見られる矢印は「NIPPON」の国際的なつながりを示しています。また鞠のバーツをグレーや黒に部分的に塗ることで国際化による問題や日本における問題を表しています。鞠のパーツに和柄をいれることによってより日本らしさや多様性を表現しました。
虫眼鏡は地球儀の特に日本に焦点をあてて、拡大しているように見せることで、世界の中の日本というところに注目していることを表現しています。コロナウイルスの影響で多様な変化をしている今、身の回りの社会や文化を振り返る必要があります。私たちの身近であるがゆえに気づかないことも調べるという意味をこめて虫眼鏡で表しました。そして、虫眼鏡の中に「NIPPON」に関する方向性を表したモチーフを入れることによって日本について私たちが知り、考えていくということを示しました。虫眼鏡の中から見えているけん玉は日本で生まれた文化を表現しました。また、桜の木の枝は身の回りの環境を表しています。そして、新幹線は技術、矢印のグラフは経済を表しています。新幹線は飛び出すようにすることによって現在や過去だけでなく未来にも目を向けていることを表現しました。矢印のグラフはあえてガタガタなグラフにすることによって、経済の不安定さと先行きの不透明さも表しています。
私たちは、今年度吉祥祭のテーマ「NIPPON」の本質をこのロゴで表現し、全校の皆さんに浸透することを願っています。
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今年度の吉祥祭は、例年と異なる部分も多くなりますが、吉祥祭実行委員会を中心に、各クラス、団体で工夫を凝らし、これまでにない吉祥祭を作り上げていきます。