本郷菊坂・東京大学界隈 6月9日(土)午後1時~4時
– ~樋口一葉、宮澤賢治、石川啄木、夏目漱石ゆかりの地を訪ねる~
今年は23名が参加。案内は萩原副校長先生です。毎年、梅雨の時期の実施ということで天候が心配されるのですが、今年も晴天の下、楽しく文学散歩が行われました。
最初に訪ねたのは本郷三丁目(東京メトロ丸の内線)の駅を出て、すぐの角にある「かねやす」というお店です。「本郷はかねやすまでが江戸の内」という案内板が掲げられているお店の前で、その言葉の意味を萩原先生よりお聞きしました。ただ残念なことに、夏目漱石の小説にも出てくるという「かねやす」はすでに閉店となり、シャッターが降りたままでした。ここから石川啄木の旧居跡を経て、文京ふるさと歴史館に到着。ふるさと歴史館で歴史や文学についての見聞を深め、炭団坂へ。その坂上には正岡子規や坪内逍遙が暮らしていましたが、ここは高台で眼下にはたくさんの建物が広がります。ここに来るまでは平らな道だけを通ってきただけなので、どこか不思議な光景でした。
炭団坂を下り、菊坂へ。ここには時が止まったような一画があり、宮澤賢治や樋口一葉の旧居跡からは、作家達の声が聞こえてくるようです。菊坂を下ると、右手に樋口一葉も利用したという「旧伊勢屋質店」(平成27年跡見学園女子大学が取得して、一般に開放されています)が見えてきます。係の方の丁寧な説明もあり、明治時代に建てられたという蔵や店からは時空を超えて往時の雰囲気を味わうことができました。
ここから梨木坂を上った先に、本館が有形文化財に登録されているという旅館「鳳明館」があります。この付近もレトロな趣があり、文学散歩を通じて、文学ばかりでなく、町並みについても新(再)発見することがいっぱいです。ここから菊富士ホテル跡、赤門前の樋口一葉ゆかりの法真寺(一葉の命日の11月23日には一葉忌供養を営んでいます)などを見学して、最後に東大構内にある三四郎池へ。東大構内は緑があふれ、池の周りはすこしひんやりする感じで、梅雨のうっとうしさを忘れるほど。東大構内に初めて足を運んだ人も多くいて、東大の重厚な建物と自然に驚きの声があがっていました。
今年の界隈は坂が多い地域でしたが、一番負担の少ないコースを萩原先生が設定して下さり、心地よい疲れと共に無事終えることができ、来年の再会を約束して、三四郎池の前で解散となりました。