確かな知識を身につけ,これからの社会を生きる力を育む

教科の方針

社会的な問題意識や理解、歴史的な思考力、資料の分析能力、ディベート・ディスカッションなどによる自己表現力など、単なる暗記ではなく、多岐にわたり生徒の能力を高めることを目標としています。

中1では「歴史」と「地理」、中2では「地理」と「公民」、中3では「歴史」と「公民」を学習します。基礎的なレベルにとどまらず、発展的教材や独自プリントを用いて高校の内容にまで踏み込んだ本格的な学習を進めていきます。

歴史の授業では、日本の歴史だけでなく、世界の歴史についても学習します。各時代ごとに背景触れながら、単に断片的な知識ではなく、総合的な歴史像をつくりあげることを目指します。また、歴史学習を通じて社会的な視野を広げ、現代社会を柔軟で多様な視点からとらえるようにすることも目標としています。

地理は読んで字のごとく「大地の理(ことわり)」を学ぶ科目です。「なぜ?」という問いを大切に、筋道を立てて考えることが重要です。そのため地理の授業では、地図や統計、写真といった資料を駆使して好奇心を高めつつ、世界や日本のあり方を理解し、視野を広げることを目標としています。

公民を学習する際に最も大切なのが、「自分は社会をつくる主体である」という当事者意識を持つことです。自分は今どのような社会に生きているのか、この社会はどのような問題に直面しているのかを正しく知り、その上で自分はその問題にどう対処すべきなのかを主体的に考え、表現できる力を身につけることを目標としています。具体的には、高校レベルの副教材を併用し、青年期の課題、女性の生き方、現代社会の課題、民主政治と人権思想、日本国憲法などの分野を学び、高校の学習へとつなげていきます。

高校では、社会科は地理歴史科と公民科に分かれます。まず公民科については、高1では中3の公民を引き継ぐ形で「公共」を履修し、政治分野のほか、経済分野や倫理分野についても学びます。このような形で中3から高1の2年間をかけて、重複なく総合的に公民分野を学習していきます。また、地理歴史科では高1で「歴史総合」、高2で「地理総合」を全員が履修し、さまざまな分野の知的蓄積を通じて、現代社会の諸課題を多角的に分析・考察します。その上で、高2・高3ではそれぞれの進路希望に応じて「日本史探究」「世界史探究」「地理探究」などを選択して学習し、総体的な社会観の育成を目指します。その際、大学入試レベルにも十分に対応した高度な水準の授業を展開します。

使用教科書

中1~中3 『中学生の地理』(帝国書院)
中1~中2 『中学生の歴史』(帝国書院)
中3 『中学生の公民』(帝国書院)

使用副教材

中1・中3 『資料カラー歴史』(浜島書店)
中1~中2 『中学校社会科地図』(帝国書院)
『アドバンス中学地理資料』(帝国書院)
中2~3 『政治経済資料集』(とうほう)

中学1年から高校1年までの授業内容

学年 社  会 / 地 歴 ・ 公 民
中学1年 歴史的分野 2時間 地理的分野 2時間
中学1年 歴史分野では、日本だけでなく、世界の歴史についても学習する。各時代ごとに、その背景にもふれながら、単に断片的な知識ではなく、総合的な歴史像をつくりあげることを目指す。
◇古代国家の成立と東アジア(原始・古代)
人類の進化、世界各地の文明と宗教
縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代、
奈良時代、平安時代
◇武家政権の成長と東アジア(中世)
鎌倉時代
地理分野では、私たちの生きる現代の世界・日本の様子を、まず地理的思考の基礎となるさまざまなテーマに沿って見渡した後、世界、そして日本の地域ごとに詳しく学んでいく。
◇地球と地図
◇世界の自然環境
◇国、人、社会
◇世界の諸地域(東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジア、北アフリカ)
中学2年 地理的分野(1・2学期) 3時間 公民的分野(3学期) 3時間
中学2年 ◇世界の諸地域(中南アフリカ、ヨーロッパ、
ロシア、北アメリカ、中南アメリカ、
オセアニア)
◇日本の自然環境
地形図を読む、日本の位置と領土、地形の特徴、
気候の特徴と気候区分、災害とその対処
◇日本の農業
農林水産業、鉱工業、商業と貿易、交通と通信
◇日本の社会
人口問題、都市と農村の諸問題、
諸地域の文化や生活、世界とのつながり
公民分野では、自分は今どのような社会に生きているのか、この社会はどのような問題に直面しているのかを正しく知り、その上で自分はその問題にどう対処すべきなのかを主体的に考え、表現できる力を身につける。
◇青年期を生きる
青年期の課題、社会に参加する、
女性として生きる
◇現代社会の諸課題を知る
科学技術の発達と生命、少子高齢化と社会保障
中学3年 歴史的分野 2時間 公民的分野 2時間
中学3年 ◇武家政権の成長と東アジア(中世)
室町時代、戦国時代
◇ルネサンス、大航海時代、宗教改革
◇武家政権の展開と世界の動き(近世)
織豊政権期、江戸時代前期、江戸時代中・後期
◇産業革命、アメリカ独立革命、フランス革命
◇政治について考える
政治とは何か、近代立憲主義の広がり、
日本国憲法の成立と特徴、基本的人権の尊重、
平和主義と安全保障、日本の政治機構
高校1年 歴史総合 2時間 公共 2時間
高校1年 歴史総合は世界とその中における日本を広く相互的な視野から捉え、近現代の歴史を理解・考察する。 歴史の大きな変化に着目し、問いを設け、資料を活用しながら歴史の学び方を習得する。
◇ 結び付く世界と日本の開国
◇ 国民国家の形成と発展
◇ 近代化と現代的な諸課題
◇ 国際秩序の変化や大衆化
◇ グローバル化
社会に参画する際に選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論・公共的な空間における基本的原理を習得する。「人間と社会の在り方についての見方・考え方」を働かせ、考察、構想する。
◇主権者である国民の意思を政治に反映させるしくみ
◇ 経済原理と日本経済の諸課題
◇ 公共的な存在としての人間の生き方
◇ 国際政治・経済のしくみ